今年9月に地球の健康状態を診断した「プラネタリー・ヘルスチェック」の結果が公表されました。
この診断は、地球環境に人間による影響などが加わってももとの状態に戻り、安定した状態を保てる境界線を示した「プラネタリー・バウンダリー」という考え方で行われたものです。今年9月の診断結果では、地球環境にとって重要な9つの項目のうち、6つが既に境界線を超え、7つ目もまもなく超えるところまで来ているとされました。
境界線を超えている項目 | 気候変動 新規化学物質 生物地球科学的循環 (窒素やリンの循環) 淡水の変化 土地利用の変化 生物圏の一体性 |
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境界線をまもなく超える項目 | 海洋酸性化 |
境界線を超えていない項目 | 成層圏オゾン層の破壊 大気エアロゾルによる負荷 |
これと関連する指標として、6月24日の環境コラムで「エコロジカル・フットプリント」を紹介しました。これは、私たちが消費する資源の生産や排出するCO2の吸収などに必要な生態系サービスの需要量を地球の面積で表したものです。2022年時点で、この需要量が環境収容力の1.7倍に達しており、将来世代の資源(資産)を先食いしているといえます。
これらの問題は、もはや一部の国や地域だけの問題ではありません。将来世代に豊かな地球や資源(資産)を残すために、一つひとつの企業・事業所ができることを考えていく必要があります。